テレビショッピングやサプリ販売サイトなどでは、商品の宣伝のためにいくつもの表現がされています。でもその表現方法にはきちんとした基準があるのことをご存知でしょうか。
もしライターさんやアフィリエイターさん、広告、宣伝を担当することになったら「薬機法なんて知らなかった~」ではすまされなくなる大切なお話です。いかに薬機法(旧薬事法)を上手く付き合っていけるかが良いアピールをするためには重要で、最低限のルールや知識は身につけておく必要があるでしょう。今回は薬機法(旧薬事法)の表現や表示のルールや法についてご説明します。

薬機法(旧薬事法)とは何か

薬機法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、及び医療機器の品質と有効性、安全を確保するために製造、表示、販売、流通、広告などついてそれぞれ細かく規定し、規制している法律です。旧薬事法は1960年(昭和35)に制定され正式名称を「医薬品医療機器等法」と言います。
2014年11月25日には改正薬事法が施行され、名称を「薬機法」とし、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と変更されました。旧薬事法の規定を見直し、医薬品、医療機器の安全対策を強化し、品質、有効性、安全の確保にかかわる国や都道府県をはじめ、製造販売者、医療関係者の責務を明確にしました。医薬品などを製造したり、広告で宣伝し販売するときには薬機法で定めたルールに準ずる必要があり、必ず関わってくることなのです。
薬機法によって規制が行われている4つに分類された種類は、医薬品医療機器等法第2条で定義されています。ここでは分かりやすく説明しましょう。
  • 医薬品

    人または動物の病気の診断、治療や予防など使われる薬品のことで、厚生労働省により配合されている有効成分の効果・効能が認められたものです。形態としては、内服薬(飲む薬)、外用薬(塗る薬)、注射する薬(注射剤)などがあります。医師などによって処方される医療用、医薬品とドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品とがあります。

  • 医薬部外品

    治療というよりも防止や衛生を目的にしていて、人体や皮膚、頭皮に対する作用も医薬品より穏やかです。厚生労働省によって許可された有効成分の効果や効能が一定の濃度で配合されている製品で薬用化粧品、虫歯予防の歯磨き、ヘアカラー、生理用ナプキンなどが当てはまります。

    「有効成分」として成分名や効果・効能を表示することが可能で、ニキビを防ぐ、美白効果があるなど、ある程度の効果はうたっても大丈夫です。誰にでも効果効能が必ずあるというものではなく「期待できる」範囲です。薬用がつくのは医薬部外品で認められている表し方です。

  • 化粧品

    医薬部外品よりもさらに効果・効能が緩やかで、身体を清潔に整える、魅力を増す、美しくする、皮膚や髪の毛を健やかに保つなどを目的として使用される製品です。基礎化粧品、メイクアップ化粧品、シャンプー、歯磨き、浴用石鹸などが当てはまります。

    医薬部外品では認められている、肌荒れ、ニキビを防ぐ、皮膚の殺菌などの効果効能を表示することは許可されていません。

  • 医療機器

    人間や動物の疾病の診断、治療、予防に使用されることを目的としている機械器具などのことを指します。また身体の構造や機能にも影響を及ぼすことが目的とされている機械器具なども該当します。レーザー治療機器、電子体温計、MRI、ペースメーカー、低周波治療器などがあります。トレーニングマシンやフィットネス用品などは医療機器には当てはまりません。

分類された4つに該当する商品を取り扱う際は薬機法で定められたルールに従うことはもちろんですが、薬機法対象外の製品であってもいかにも絶対人体に効果効能があるみたいなことを表示して販売したりすると薬機法違反になってしまいます。「薬機法で規制されている4つを販売する時に認可し、商品毎に使用が認められている表示や表現方法があるのに、厚生労働省から認可されていない製品に効果効能を記したり宣伝したりすることは出来ません」ということです。
また、医薬部外品でも化粧品では劇的な変化や効果があるような文言は一切使用できません。
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薬事法に抵触するとは実際にどういうことなのか

まず、製造したり販売したり扱おうとする製品が医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の4つのどれかに該当するかは、厚生労働省によって決められます。認可制になっていて、認可を受ける際の基準が薬機法(旧薬事法)という法律です。つまり、メーカーや業者などから申請された製品を、医薬品なのか医薬部外品なのか、医療器具なのか・・・というように基準に照らし合わせて審査をし認可を受けると「医薬品、医薬部外品、医療機器」だよと名乗れるというわけです。そこではじめて製品のパッケージなどに「医薬品」など堂々と表示できるということです。
例えば、普通の餃子を販売するのに「宇都宮で有名な餃子です」とか「宇都宮で人気NO1の餃子です」などのアピールをして商品を売ったとします。宇都宮餃子と名乗っていいのは、承認を受けた一部のお店の餃子だけであって普通の餃子なら「餃子」としか販売できないはずです。宇都宮風とか宇都宮式とかならギリギリ見逃されるかもしれませんが、宇都宮とは名乗らないようにとクレームがあるかもしれません。
宇都宮の餃子と断言してしまうと場合によってはこの事実を知った宇都宮餃子協会のような団体からクレームどころではなく訴えられることになるかもしれませんね。このケースを薬機法に当てはめると「宇都宮餃子」と「医薬品」がイコールになり宇都宮餃子委員会は厚労省ということになります。
では、また薬事法抵触のお話に戻り例を出してお話しましょう。厚労省に申請されたものに対して薬機法で定められている4つのどれに該当するかを審査します。「この製品は薬機法で人体に対して効果・効能が認められる“医薬品”に該当する」などとして認定します。ただし、医薬品と認定されても効果効能をパッケージや広告などに記すのに使ってよい表現は「頭痛」「生理痛」「関節痛」の3つのみです。厚労省からは、「医薬品として認定します。この商品は効果、効能はこの3つのみですのでこれ以上の表現はしてはいけません」というような内容の書かれた書面が届いて認定を受けます。
例としてあげた「頭痛、生理痛、関節痛」という3つの効能に関する表示は、厚労省が正式に認定した表現です。ということは、医薬品以外の商品の販売に対して、「頭痛に効き目ある」とか「関節痛が和らぐ」というような表現はしてはいけないということになります。
頭痛とは全く関係のない単語を使用しても構いませんが、粒状や飲料水のようにもしかしたら、それは薬かもしれないと思わせてしまうものに頭痛などの文字を使うと「薬事法に違反している可能性があります」とか「薬事法に抵触しています」となるわけです。
サプリメントや健康器具は薬事法の対象外ですが、何を書いても宣伝しても対象外だからいいということではありません。対象外には間違いありませんが、さも医薬品や医療機器のような効果や効能を得られるかのように宣伝したり販売して薬事法の対象範囲に近づくと薬事法に抵触し、あまりに悪質な場合は薬事法違反の疑いで逮捕という結果になってしまいます。
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化粧品をめぐる認可について

次に化粧品のお話をしましょう。
化粧品の場合、まず製造の許可を取ります。そして販売する際、使用している全成分を表示する場合は厚労省の認可は不要になります。逆に成分を表示しない場合は承認を得ないと化粧品とは名乗れません。また化粧品の効果や効能を表す範囲は、厚労省で定められた56項目の規定以外は表示したり広告することはできません。

アウトなのかセーフなのか「効能」という言葉について

「効能」とは「ある物質の作用によって得られる効果」や「ある物質の作用によって、よい結果をもたらす働き」とされています。効能の場合、その物によって結果を得られるということよりも、何かの働きによって期待できる効果ということなので誰にでも効果や効き目があったという意味ではありません。影響が与えられる前段階の状況のことですね。
また、効能は「誰かによって効果があると認められた能力」ということにもなりますが、この場合誰かとは誰でもいいということになります。もしあなたが「大根には肌荒れが改善される効能があります」と言ったり書いたりするのは自由です。でも、ここから先もし八百屋さんがこのような宣伝をして大根を売ったらどうなるでしょうか。答えはたぶんギリギリセーフです。なぜなら大根は誰からどこから見ても野菜にしか見えないからです。しかし、もし肌荒れへの効能を大胆に宣伝して10億円を賭けたとしましょう。そうなると「大根には腹痛が改善する効能は厚労省は認めていません。これ以上続けると薬事法違反になる可能性があるから気をつけてね」と注意あるいは警告される可能性はあります。
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では、今度は大根を主成分にしたサプリメントがあったとして「このサプリは大根を主成分としていて肌荒れを解消する効能があります」として販売したとしましょう。この場合は、薬事法違反の可能性が高くなります。なぜなら、サプリメントという形状だからです。
サプリメントは一見医薬品とよく似ていて消費者が医薬品と間違えることもあることから、消費者によっては「この大根サプリは肌荒れに効くのかも」と誤った解釈を与えかねません。そのため悪質性が高いとみなされ、厚労省から厳重注意を受けたり、それでもやめない場合は薬事法違反の疑いで警察が逮捕して送検する可能性も出てきます。大根を見た目が野菜のまま売ったなら、誰がどう見ても大根であって医薬品とは間違えませんね。
実際に朝鮮半島などで有名な高麗人参をサプリメントにして「これを飲めば病が治ります」と宣伝し販売した業者が薬事法違反の疑いで逮捕されています。
薬事法対象の医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の4つに似たサプリメントやクリームとか健康器具などを取り扱う際には「効能があります」と効能という単語は使わない方が基本的にはいいでしょう。なぜなら、自分以外の第三者が太鼓判を押しているようなイメージを消費者に与えてしまうからです。
でも、どうしても効能という単語を使いたい場合は、「○○を飲んでホニャララの効能を確認しましたが、○○の独自の効能かどうかは正確に判断できません。厚労省は認めたわけでもないので自己責任で摂取するか否かの判断をお願いします」という内容であれば効能をいう単語を使用して宣伝や販売をしても大丈夫ではないかと思われます。
効能をいう言葉の使い方は非常に難しく、薬機法だけで使うのではなく一般用語になります。そのため絶対使ってはダメとも言い切れず、文脈によってOKなケースとNGなケースとが出てきてしまうので注意が必要です。

食品の分類について

私達の口から直接摂取するものは、まず食品か医薬品かどちらかに分類されます。医薬品は先ほどお話したように医薬品と医薬部外品に分かれます。食品の場合、①機能性に関する表示ができるか否か②責任の所在により、さらに大きく一般食品と保健機能食品の2つに分類されます。
機能性とは効果や効能に当たることですが、何でも表示していいわけではありません。医薬品と違って糖尿病の人にとか高血圧予防になど病名や症状を具体的に表し治療や予防効果を期待させたり、医薬品のような効果効能を表示することはできません。それは、薬機法に違反することにもなり表示の方法は厳しく決められています。
  • 一般食品→機能性の表示ができませんが栄養成分の表示はできます。栄養補給や健康維持を目的としている、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品などの表示で扱われているいわゆる健康食品と呼ばれているものは一般食品に該当します。あくまで食料品なので医薬品のような効果効能をうたうことはできません。
  • 保健機能食品→機能性の表示ができます。さらに特定保健用食品(通称トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3つに分けられます。これらはあくまで栄養を補助することを目的としているので効果・予防・改善など効果や効能を保証するような表現はNGとされています。

保健機能食品に分類される3種類

  • 特定保健用食品(トクホ)

    体の調子を整える、身体に対する特定の保健への用途のために利用されることを目的として、保健機能成分を含んでる食品です。
    機能性の表示とともに栄養成分含有の表示が可能です。企業側の臨床試験による効果の科学的根拠をもとに国が有効性、安全性などの審査を行い効果や安全性を個々の製品ごとに消費者長官によって許可されています。消費者に医薬品ではないのかと思わせるような表現は厳しく制限されています。

  • 栄養機能食品、栄養調整食品

    不規則な生活や高齢化により、一日に必要な栄養成分を摂りきれない場合などに栄養成分を補助することを目的としている方に対して、含まれる栄養成分の機能を表示している食品です。商品ごとに消費者長官の許可は必要なく、ビタミン、ミネラルなどの含まれる栄養成分が一定の基準を満たしていれば栄養成分含有と機能性表示ができます。

  • 機能性表示食品

    機能性表示食品制度として、健康保健用食品、栄養機能食品に続き食品に機能性を表示できる3つ目の新しい制度として平成27年4月1日から開始されました。健康保健用食品は国の許可を得るまでに多くの時間と費用を要します。これに対して機能性表示食品は、国による個々の製品の審査はなく、販売60日前までに必要事項を企業が消費者庁に届け出ることで企業の責任により科学的根拠のある機能性を商品に表示できます。

サプリメント、健康器具やマッサージ器具は何に分類される

サプリメントは日々の生活で足りない栄養や成分を補うことを目的とした食品です。日本語では「栄養補助食品」とされ、一般食品である健康食品に含まれます。サプリメントは健康を保つことや増進のために利用される補助的な食品なので、病気の治療に使われるものではありません。そのため、効果効能を表示することはできません
また、健康器具やマッサージ器具はそのものを使用することによって健康を維持したり体型維持を目的とされている器具です。販売している業者に対しても薬機法による規制が関わります。薬機法では医療機器の取り扱い、販売方法についても規制していて健康器具やマッサージ器具は医療機器に当てはまる場合もあるとされています。医療機器は病院施設で使用するものでなくても薬機法の適用になるものがあるので、宣伝表示でも承認により確認された効果効能の範囲を超えた表現はできません。規制の内容についてよく理解しておかないと、思いもよらぬところで法律違反になってしまいますね。

漢方や民間薬、生薬ってどんなもの

漢方は中国医学のひとつで、日本に渡り風土や気候、日本人の体質に合わせて独自の発展を遂げた伝統医学です。病名が同じでも自覚症状はその個人で異なるため、患者それぞれの状態や体質の見極めを重視し個々に合わせた最適な漢方薬を処方し自然治癒力を高めることを重視しています。
漢方処方の原料が「生薬」であり、漢方薬は原則2種類以上の複数の生薬を組み合わせれ作られたもので、漢方医学によって混ぜる種類、分量や服用の条件も細かく決められています。また医師の判断でなく独自の判断により、ごく軽い症状や予防のために用いる主に1種類で使われるドクダミやヨモギなどの薬草を民間薬といいます。

薬事法に抵触するライン、もしくはギリギリセーフの表示方法~健康食品編

おさらいしますが、先ほどご紹介したサプリやトクホなどを含む健康食品は、医薬品ではなく食品として扱われます。薬事法では「疾病の治療や予防」「身体の状態に影響を及ぼすこと」このどちらかに当てはまる表現は使えません特定の部位や病名、症状なども同じく表現できません。

薬事法で使用OKな表現、使用NGな表現まとめ

使用OK例とNG例を表にまとめてみました。
●病名や症状名、特定の部位に関する表現
  使用NGワード 使用OKワード
病名 ガン
肺炎
肝臓病
糖尿病
自律神経失調症
更年期障害
うつ病
不眠症
認知症
アルツハイマー病 など
めぐり
流れ
気分
バランス
リズム
メリハリ
グッタリ
忘れっぽい
元気
若々しい
寒がり、暑がり
偏食
生活習慣
眠れない
食べすぎ
元気
健康
鉄不足
健やか
滋養
落ち着き
不順
バランス
ストレス
健やかな眠り
症状 高血圧・低血圧
貧血
更年期
生理不順
不眠
冷え症
新陳代謝
自律神経の乱れ
胃もたれ
肩こり
疲労する
滋養強壮
脳卒中の後遺症
疲れ など
特定の部位 頭、手足、腰、肌、毛、血、血管、各臓器の名称、女性ホルモン、自律神経 など 自分
体の中心
体の中
あなたの身体 など

効果や効能を表す表現まとめ

ついつい使ってしまう「改善、効果、予防」はNGワードです。予防はNGですが防ぐはOKです。防ぐ、保つ、補う、対策はOKです。なかなか区別が難しいので表にしましょう。
使用NG(治療、改善を示す動詞、動名詞) グレーゾーン(現状維持を示す動詞、動名詞) 単体での使用ならOK(何を伝えたいのかあいまいな表現)
治る 治った
改善 良くする
解消
防止 予防
効果 効能 効き目
調整 整える
作用
増やす 減らす、
増進 強化 促進
上げる 下げる
高める 向上する
消える 除去、
やせる
整える
抗酸化作用
アンチエイジング
滋養強壮 など
サポートする
補助する
補充
補給
保つ
補う
実現
維持
滋養
味方
増やさない
減らさない
応援する
対策
働きかける など
サラサラになる
モリモリ
キリキリ
グングン
メリハリ
シャキッと
フサフサ
ツヤツヤ
サポート
サポーター
応援する
バリバリ
どっさり
スッキリ
ゆったり
パワー
元気になる
リズムが整う
心地よい
守ってくれる
解放してくれる
 

実際にOK、NG表現を具体例でご紹介

病名、部位の名前などの名詞や名称と効果、効能、状態を表すような動詞との組み合わせによっても薬機法に触れるレベルが変わってきます。分かりやすくマカを例にしてお話しましょう。
●逮捕に至ってしまうブラックレベルの表現
  • マカは更年期障害の女性に効果、効能があります
  • マカはホルモンバランスを改善します
  • マカは自律神経を調整する作用が期待できます
上記に挙げた表現は、完全にブラックです。なぜかというと、病名や症状、特定の部位を表現しています。また、改善、効果、予防のように治療や治癒、症状が快方に向かうことを示唆するような表現が使われています。「部位名+改善」「症状名+効果」などNGワードの掛け合わせになるので薬機法違反に該当し、最悪は逮捕される可能性もあるレベルです。
●厳重注意されるダークグレー~グレーレベルの表現
  • マカは貧血に働きかけます
  • マカは自律神経をサポートしてくれます
  • マカは抗酸化作用があります
逮捕まではいかないけれど、厳重にチェックされてしまうグレーレベルです。ご紹介した表示や表現方法は主語で病名や特定の部位を表していますが、述語では効果効能にあたるNGワードは使用されていません。逆に、主語で病名や症状、特定の部位名を使わずに述語で抗酸化作用やアンチエイジングというような症状を改善させることを示唆するような表現を使っている例もあります。このような表現の場合、即逮捕とはならなくても厚労省から厳重注意を受ける可能性はあります。
このようなレベルの表現をメーカー自身が行うと営業停止などの処分が課せられる場合も少なくありません。何度か注意を受けているのに改善しないことが続くと最悪書類送検ということにもなりかねないレベルです。
●厚労省に目を付けられるが帰っていくホワイト寄りのグレーレベルの表現
  • マカはめぐりを良くします
  • マカはあなたを中からポカポカにします
  • マカは女性ホルモンのサポーターです
だいたいの方が、どんなことに効果があるのか分かるような表現方法です。厚労省から厳重注意されることはまずないレベルでしょう。しかし、文脈によってはギリギリラインになる場合もあります。例えば、更年期障害のことについて細かく説明した前後に「マカは女性の心の乱れを保つ味方です」と表現してしまうと、消費者には更年期障害に効果があるのかも・・・と誤解を招くこともあるでしょう。そのようなパターンでは厳重注意レベルにアップしてしまいます。
他にも文章の組み合わせによってもギリギリラインな表現もあります。
例えば、「カルシウムは骨を強くするのに必要な成分です。マカにはカルシウムが多く含まれています」この文章、すべて事実であるし効果効能を示唆しているような内容でもありません。しかし、完全にセーフかと言われるとそうでもありませんが、薬機法に抵触しているとも言い切れず、このようなギリギリの表現方法を見つけて各社自社製品をアピールしているのが実情です。
また、めぐりという表現が実際に何を指しているのか分からない場合は厚労省から注意がくることはまずないと考えられますが、厚労省に目を付けられるか否かは担当者や繁忙によっても左右されます。ちょっとギリギリで薬機法に触れそうな表現方法を使う場合は自己責任になることをよく認識しておきましょう。
●問題にならないホワイトレベルの表現
  • マカはあなたをサラサラにしてくれます
  • マカはあなたを中からポカポカにしてくれます
  • マカであなたの毎日は元気モリモリです
どれも具体的に何を伝えたいのか、何を指しているのか分かりにくい表現ですね。まず、問題にはならないレベルですが商品を売るのには苦労してしまうかもしれません。
しかし「横になって気づいたら朝でした」はアウトです。なぜかというと、熟睡しているということが伝わってしまうからです。朝とか夜とか時間帯を表す言葉も使わない方がいいでしょう。
  • 血流改善→めぐりを促す、流れをサラサラに
  • 便秘解消→トイレでどっさり、スッキリした
  • 腰痛、膝痛→立つ、座るがとても楽になった
  • 交感神経優位→高ぶった状態、気持ちの高ぶり
  • 自律神経の乱れ→乱れた気持ち、高ぶった気持ち、心の乱れ
  • 不眠症解消→休息できた、グッスリを実現、睡眠のパートナーに
  • 更年期障害→女性の年齢によるイライラ、更年の悩み、年齢とともに感じるゆらぎを解消 
  • 冷え症解消→ぽかぽかな毎日、ヒエを中からポカポカに
など、販売各社、表現方法やキャッチコピーには創意工夫を重ねています。

~化粧品編

取り扱う方も多い化粧品にも、効果効能など使える表現には制限があります。下記のURLを参考にして下さい。これ以上使うと薬事法違反になるので、健康食品よりシンプルで分かりやすいでしょう。

http://www.piis.pref.mie.lg.jp/dat/pdf/10005756_001.pdf#search=’http%3A%2F%2Fwww.piis.pref.mie.lgjp%2Fdat%2Fpdf%2F10005756_001.pdf’

化粧品と医薬部外品の違いについてお話しましょう。
化粧品の中にも「薬用化粧品」と薬用がついている製品があります。薬用化粧品や薬用石鹸は、医薬品医療機器等法(薬機法)で定められた3つの分類では化粧品ではなく医薬部外品に分類されます。化粧品は美容に関することや清潔にすることなどを目的として開発されていますが、医薬部外品は医薬品と化粧品の中間に分類されます。
医薬品のように治療を目的にはしていませんが、厚労省の許可した目的に対する効果、効能のある成分が規定量含まれていて、主に「予防」を目的に使われます。医薬部外品は有効成分を記すことができます。化粧品は薬用でも薬用でなくても、すべて薬機法の対象になっていて医薬化粧品であれば厚労省が認可した際に認められた表現でしか効果効能を記すことはできません。化粧品であれば上記でご紹介したPDFの56個の表現方法しか使えないことになります。
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~医薬部外品編

医薬部外品は体への作用が穏やかであり、次のような目的のために使用する機械器具等でないものです。厚労省の認可が必要になります。使用できる表現、表示方法は厚労省の承認時に定められた内容になり、それを越すと薬機法違反になります。医薬部外品で認められている表現、表示方法を医薬部外品以外の商品で使うと「これは医薬部外品では?」と誤解を生むため薬機法に抵触してしまうことになります。
薬事法第2条第2項
  1. 吐きけその他の不快感または口臭若しくは体臭の防止
  2. あせも、ただれなどの防止
  3. 脱毛の防止、育毛又は除毛
  4. 人又は動物の保護のためにする、ねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止
医薬部外品は下記の3つに分類されます。
  • 医薬部外品(日常での不快感などを和らげる目的)・・・肌などに直接つける薬用化粧品、ヘアカラー、歯周病予防、虫歯予防の歯磨き、生理用品などを含みます。
  • 指定医薬部外品(医薬品に近い作用が目的)・・・ビタミン剤、整腸剤、のどの清涼剤
  • 防除陽医薬部外品(人ではなく害虫などに対する作用が目的)・・・電気蚊取り(マット、液体、ファン)殺虫剤、エアゾール剤
効果効能に関しては下記の厚労省URLをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/dl/s0701-1t.pdf

~医療機器編

身近にもある医療機器は、薬事法第2条で下記のように定義されています。

「医療機器とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であって、政令で定めるものをいう。」

医療器具の種類は、①治療、予防、診断に使用されるMRI、電子体温計、レーザー治療機器など、②身体構造や機能に影響を与えるペースメーカー、低周波治療器、電位治療器などがあります。トレーニングマシン、フィットネス用品などの健康器具や運動器具は医療機器には当てはまりません。健康器具はそれを使うことにより健康の増進に役立ったり、体型の維持、向上が期待できるとされている器具(工業製品)の総称です。
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医療機器と健康器具は先ほどお話して医療品と健康食品との関係性とほぼ同じなので、健康器具は効果効能を表示できず、グレーレベル以上は薬機法に抵触します。健康器具は薬機法の対象外なので、効果効能を実験データなどで保証しなければならないプロセスなどは存在しません。業者が自ら宣伝しているものなので、薬機法で効果効能を認められている医療機器と同じように表現表示をして宣伝し販売すると薬機法に抵触し最悪は逮捕に至るということです。
詳しくはこちらのガイドライン(日本医療機器産業連合会)を参考にして下さい。
http://www.jfmda.gr.jp/

個人の感想ではどうなるのか

該当の記事内では直接商品を販売していないけれど、ドメイン内の別記事で販売している場合もありますね。その場合の薬機法との関わりはどうなるのでしょうか。
テレビショッピングやネットなどで「個人の感想です」という表示を見かけると思います。個人の感想とした上でも「高血圧改善にこのサプリが効果的」など薬事法に触れることを書いてしまうと完全にアウトになります。
次はWEBサイト内です。こちらでも「しょうがサプリは、更年期障害による冷えを防ぎます」という記事を書いたとしましょう。その記事ではアフィリエイト広告を貼らず別の記事でアフィリエイトをした場合でも、基本的にはアウトになります。ただし、同じWEBサイト内でも、誰がどう見ても記事間の誘導はしていないような場合は目をつぶってもえらえる可能性はあります。
そして、もう一つの例です。例えば「スーパーアンチエイジングサプリ(仮)」という商品を販売している業者がいたとしましょう。第三者を偽って「スーパーアンチエイジングファンクラブ」みたいなサイトを運営し、効果効能を表示しました。でもそのサイト内では一切該当商品の販売はせず、間接的な宣伝をしてまた別のサイトでサプリを販売した場合です。この例はいわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」になり薬機法違反には当たりませんし触れることもありません。しかし、道理的にはアウトなので悪質と判断された場合は何か理由をつけて書類送検されたりすることはあるかもしれませんね。
最後にもう一つお話します。
「スーパーエゴマサプリ(仮)」という商品があったとしましょう。スーパーエゴマサプリを販売している業者は㈱スーパーエゴマサプリという社名にして社名を目立つ場所に表示しながら「エゴマ」の効果効能を表示したサイトを運営しました。でも、そこでは直接スーパーエゴマサプリを販売していない場合です。これは、最も上手な商売の仕方で結果はセーフです。「真っ白」ではありませんが、商売上手な賢い方法です。
ただし、もちろん何の根拠もないのにエゴマの効能効果を書いてはダメだと思います。独自の臨床実験でも大学の実験でも、きちんと検証した上で「厚労省からの認定は取れていないけれど効果効能のデータは確認できています」と書いて、「エゴマ」の効果効能のみをうたうのであればまず大丈夫でしょう。

まとめ

今回お話してきた基準は「目安」という感覚で捉えておいてください。実際にアウトなのかセーフなのかは絶対ということではありません。判断をするのは各都道府県の業務を担当する厚労省の出先機関である業務課や薬事課になります。悪質なケースの場合には薬務課と地元警察とが連携して地方裁判所に司法判断を仰ぐことになります。そして裁判所から逮捕状を取り地元警察によって書類送検となります。

薬事法に対してアウトかセーフかを判断するのは機械や装置ではなく「人間」の目や感覚です。ブラックからグレーにかけての境界線はとても曖昧で、判断を担当している人によるところもあるでしょう。そのようなことからも担当者は広告や表示に対して試行錯誤して、良い表現を考えていると思います。
今回お話したことはあくまで参考の一つにして頂き、考えている事柄を再確認した上で本当に大丈夫か、と慎重に自己責任で行動するようにお願いします。まお、薬機法についての詳しい情報のリンクをご紹介しますので、分からないことや不安なことは厚労省などに質問してあいまいにしないように行動しましょう。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/sonota/koukoku/index.html