良い商品だからたくさんの方に使用してもらいたいのに、宣伝文句ひとつで法律に触れちゃって販売することができなかったなんてことはありませんか?

あるいは、新しい商品を紹介したいのに言葉遣いが難しすぎて、結局ありきたりな紹介文になってしまった経験ありませんか?

多くの人がネット通販で気に入った商品を購入している昨今、似たような商品を販売するサイトが乱立していて、他のサイトとの違いを際立たせるためのキャッチコピーや紹介文作成に苦労されていますよね。それに加えて、法律についても意識する必要があるけれど、理解するのも難しい。

そんな方のお悩みを解決します。以下で、2014年11月施行された改正薬事法について解説してまいります。

◆ 薬機法とは何か

薬機法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、そして医療機器について定義し、それらについてのルールを定めた法律のことです。

半世紀以上使われてきた「薬事法」という名称は、2014年11月25日に施行された改正薬事法より「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」という名称に変わりました。

通称「薬機法」と言いますが、この通称については業界団体によっては、「医薬品医療機器等法」と称するところもあります。ここでは以降「薬機法」で統一します。

薬機法は医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の品質や有効性、そして安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、最近色々と問題を引き起こしている指定薬物の規制に関する措置を講ずることや、医療機器の研究開発、促進のために必要な措置を講ずること、そして保健衛生の向上を図ることを目的として制定されました。
上記の目的を達するために製造、表示、販売、流通について細かく定められています。ネットでサプリメント等を販売する皆さまには必ず関わってくるので内容を知っておくべき法律です。

例えば厚労省から認可されている別の商品に許されているのと同じ表現を厚労省から認可されていないサプリメントに用いて表示すること、あるいはそのサプリメントがさも人体に有益であるよう言って販売することは薬機法違反です。

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◆ 法律に触れるってどういうこと?

最初にも説明しましたが、薬機法は「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」、「医療機器」の4つについて定義し、それらの製造、表示、販売、流通についてルールを定めた法律のことです。

この4つの分類に属するものは何かを決定するのは厚労省です。つまり厚労省の認可が必要ということです。この認可を受ける際の法的な基準となるのが薬機法です。

つまり医薬品メーカーが厚労省から認可を受ける前の自社の商品をさも認可されたようにパッケージなどに表示して販売することは、この法律に反することとなります。

認可を受ける前の医薬品はメーカー内では医薬品として扱われたとしても、実社会ではあくまでも医薬品らしきものなのです。厚労省が認可して初めてそれが医薬品として認識されることになるのです。

ただし、この法律には例外があります。

化粧品は認可が要らないの?

化粧品は認可がほとんど不要となっています。化粧品の認可は、商品への成分表示の記載を省略する場合のみ必要とされています。

要するに、含有する成分を全て表示すれば化粧品は認可を得なくても販売できるということです。これは自然化粧品であっても同じで、全成分を表示すれば「化粧品」として販売できます。

また、化粧品の製造販売業者は事前にどのような化粧品を販売するかを届け出るだけでOKとされています。

ただし、そのように認可不要な化粧品であっても、その効能効果については厚労省で定めた56の表示方法以外は使うことを認められていません。使用した場合には薬機法に抵触することとなります。
さて、一部例外はあるものの、総じて薬機法で定義した項目に含まれるものは厚労省の認可が必要ですし、認可されても流通・販売の際にはパッケージ等に記載できる表現等についても細かく規定されています。既定に反した場合はどうなるか、また、どのような扱いを受けるかについてここからご説明しましょう。
たとえば、インスタント食品を製造販売している会社がお蕎麦のカップ麺を販売しようとしたとします。

お蕎麦は全国各地で食べられていますが、やはりブランド力としては信州そばという名称は別格ですね。信州と言えば誰しもが「そば」を連想するくらいメジャーな食べ物です。

ですのでやはり販売する側としては商品をたくさん売りたいので、商品の名前を「信州そば」として売り出したとします。

製造元が長野県以外のところだった場合、もしも信州に信州そば保存会という団体があれば、そこから「長野で作られていないのに信州そばを名乗るな」とクレームをつけられる可能性があります。

仮に「信州風そば」と名づけた場合でもトーンは下がるかもしれませんが、それでもクレームをつけられるかもしれません。

なので、信州そばとした場合には間違いなくクレームが着くでしょうし、あるいは名称使用の差し止めを裁判所に訴えられる可能性すらあります

この場合に信州そばを医薬品に置き換えれば、信州そば保存会が厚労省ということです。疑わしい場合は罰せずではなく、疑わしいときには怒るということです。
薬機法は製造元から申請された製品について、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」、「医療機器」の4つのどれに当てはまるかを審査し、人体に効果効能があると認められるとされた場合のみ、その製品は「医薬品」であると認定します。

認定された製品については医薬品として流通・販売できるようになるのですが、その場合そのパッケージに表示できる表現等についても規定された書面が同時に発行されて認可ということとなります。

例えば痛み止めとして認可を受けた場合、「使用できる表現は、頭痛・生理痛・関節痛のみです」といったような具合に規定されます。

もちろん痛み止めの効能は広範囲に渡りますので、この3つしか書いていないということはあり得ませんが、もしもこの3つしか書かれていない場合、それ以外の言葉である「歯痛」を記載したら、それは厚労省が認めた効能にはなりませんので法律に触れることになってしまいます。

また、薬機法でカバーされるもの以外のものに、例えば帽子に「頭痛」と刺繍をしても、それだけなら問題になりません。

でもこの頭痛と刺繍を施した帽子のパッケージに、「この帽子を半日以上かぶり続けると頭痛が緩和されます」と記載して販売すると、それまで全然薬機法とは関係のなかった帽子が薬機法の対象に急浮上してきます。これが薬機法に抵触するという行為なのです。

これは何も帽子に限ったことでありません。

見た目がより「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」、「医療機器」に近い、サプリメントや健康器具にいたってはもっとシビアです。対象外のものであっても、「さも認可されている医薬品や医療機器に類似する効果効能があるかのように宣伝すること」は著しく薬機法に抵触する行為なので、悪意なくやったことであっても厳重注意を受けるかもしれないし、悪質な場合は薬機法違反の疑いで逮捕なんてケースもあるのです。

◆ そもそも「効能」って何?

ここまで薬機法について大雑把にご説明してきました。

「医薬品の効能」等に使われる「効能」という言葉については、一体どんな場合に使っていいのか、悪いのかがあいまいなグレーゾーンに位置する言葉なので、ちょっと説明したいと思います。

「効能」とは、「効果があると誰かが認めた能力」の略称です。ウィキペディアでは

「効能は、ある物質の作用によって得られる効果のことである」

とあります。

で、「誰か」って誰?って話ですが、誰でもいいのです。言い出しっぺのあなたでもいいのです。あなたが「牛乳で腹痛が改善される効能があります」と言ったり書いたりすることはもちろん自由です。

そしてこの宣伝文句をつけた牛乳を販売することもおそらく問題はありません。それは誰が見ても牛乳のパッケージに入っているのは牛乳であることは誰の目に明らかだからです。

でも、全く問題がないということではなくて、その文句をつけただけであなたが10億円儲けてしまったら、そうなると厚労省は「ちょっと牛乳屋さん、牛乳に痛みを改善する効能があることは厚労省として認めてないのだからこれ以上やると場合によっては薬機法違反になる可能性があるからほどほどにしてよ」と注意あるいは警告される可能性はあります。ただし逮捕されることは現時点では考えにくいのですが。
では牛乳を主成分としたサプリメントがあった場合はどうでしょう。「牛乳には腹痛を改善する効能がありこのサプリは牛乳を主成分としています」として販売するとどうなるか。

これは薬機法違反の可能性が高まります。理由はサプリメントだからです。サプリメントは医薬品と似たような形状をしているので消費者が医薬品と誤認しやすいので悪質性が高まるとされています。

つまり、薬機法違反になるかどうかの最重要な判定基準は悪質性があるかないかってことです。

牛乳の例に戻ると、牛乳をそのまま売ったとしたならば誰がどう見ても牛乳のパック、つまりどこにでも売っているものなので悪質性がないとは言いませんが 悪質性が高いとは判断されにくいのです。

ただしサプリメントみたいな形状にして販売したなら、消費者によっては「もしかしたら本当に腹痛に効くのかも」と誤解を産む可能性が高まるので「悪質性が高い」と厚労省は判断し厳重注意をするか、それでもやめない場合は薬機法違反の疑いで警察が逮捕し送検する可能性が出てきます。

実際に認可されていない生薬由来のサプリメントを「これを飲めば病気が治ります」と宣伝し販売していた業者が薬機法違反の疑いで逮捕されています。

また、扱う会社の大小に関わらず注意されます。以前やはり生薬由来のサプリ販売で某大手サプリ販売業者は2015年に薬機法に抵触していたため厚労省から厳重注意を受けています。

薬機法の対象である医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の4つに似たような商品、例えばサプリメントとか健康器具などを販売する際に「効能」という単語を使うと、あたかも自分以外の第三者がお墨付きをしたかのような印象を消費者に与えてしまう可能性があるので、「効能があります」と記載することは基本的にはやらない方が良いということなのです。
もし「効能」という言葉をどうしても使いたい場合は、「私が牛乳を飲んだところ頭痛が和らぐ効能が確認できましたが、牛乳単独の効能かどうかまでは 正確には判別できませんし、厚労省が効能を認めたわけではありませんので自己責任で摂取の判断をお願いいたします」ということを書くのであれば「効能」という言葉を使って商品を販売しても問題ないようです。

効能という言葉は薬機法にのみ使用する言葉ではなく一般用語ですから使ってはダメとなると言論統制にあたりますので、文脈によって使って良いケースと使っては駄目なケースがあるということです。

厚労省が「人体に有益な効果がある」と認定(認可)したものが「医薬品」「医薬部外品」「医療機器」「化粧品」となり、認可のときに認められた効能をパッケージや広告として「○○という効能があります」と表示してもいいことになっています。

牛乳は医薬品としては認定されていない、つまり「効果がある」と厚労省が認定していない商品です。牛乳にもし本当に様々な身体の不調に効果があったとしても「身体の不調への効能があります」とは書けないということです。

もし書くとしたなら、「厚労省は認めていないけど、私個人の意見として牛乳は骨折を治す効能があります」となら書いても問題にはならないかもしれません。

公の見解ではなく、いわゆる「個人の感想」なので、個人が勝手に思っているだけのこととされるのです。ただし「個人の感想です」と記事内で表記しても逮捕や書類送検されないものの、厚労省から厳重注意を受ける可能性はあります。

いくらその効き目が世間的に認められたものであっても、現時点では厚労省が認めたものではない以上、それに効能という言葉を使うことは許されないのです。

◆ サプリメントや健康器具って何?

サプリメントという言葉から連想されるのは、おそらく多くの方は医薬品と同等なものであるということでしょう。でも実は国内で販売されているサプリメントの多くは薬ではなく食品に分類されています。なので、販売するときには効果効能を謳ってはなりません。もし表示してしまうと薬機法違反で取り締まられます。
医薬品と同等の効果効能さえ謳わなければ何を言ってもいいのかというとそう言うことでもありません。食品はその属する種別によって様々な法律の規制を受けます。

法律ごとにどのような規制を受けるのかについては当該の法律関連のサイトに譲りますが、ここでは色々な呼び名のある食品の分類について少しご説明します。

いわゆる食品とされているものは、機能性の表示と責任がどこにあるかで分類されます(※機能性:医薬品の効果効能に相当しますが、表示については厳しい制限があります)。食品は一般食品と保健機能食品に大別されます。これはその機能性について表示ができるかできないで分類されます。
一般食品はいわゆる普通の食品も含まれますが、栄養に関する表示は認められています。ただし、機能性の表示はできません

この中には、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品等のいわゆる健康食品も含まれます。一般食品ですので機能性の表示はできません。

もう一方の保健機能食品は特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3つに分けられ、それぞれ機能性の表示ができますが、医薬品のように病名や症状については表示できません

表現方法は細かく規定されているので、この分類に属する製品を販売するときには別途健康増進法などの当該の法律を参照しましょう。

ちなみに「脂肪の吸収をおだやかにします」という表現は許されても、「がんに効く」などの表現は許されないということです。

保健機能食品に分類される「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」についてもう少し説明しましょう。
  • 特定保健用食品
    特定保健用食品とは、一般にトクホと言われていますが、機能性と栄養成分含有の表示ができます。企業の臨床試験による科学的根拠に基づいて、国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可した内容だけが効果や安全性として表示が許されています。たとえば、「コレステロールの吸収を抑える」といった健康の維持増進に適するなどの表示は許可されますが、コレステロールを吸収しません」など医薬品と誤認されるような表現は禁止されています。
  • 栄養機能食品
    栄養成分含有表示および機能性表示を行える食品のことですが、この場合、含まれる栄養成分は国が定めた一定の基準を満たしている必要があります。栄養機能食品を名乗る場合、特に国への届け出は不要ですが、機能性を表示する場合は、別に国が定めた表現をしようしなければなりません。
  • 機能性表示食品
    機能性表示食品は、安全性および機能性の科学的根拠を示す論文などの文書を消費者庁長官に届け出れば、先のトクホに比べると国へ行う手続きに時間がかかりません。また、機能性の表示については、あくまでも業者の責任において表示することとなります。ただし、その表現については、国が定めたものを使用しなければなりません。
話を最初に戻します。サプリメントの多くは以上説明した食品に含まれますが、どの分類に属するかによって関係官庁への申請の有無、表示表現の内容が左右されますので、サプリメントを販売される場合はこの点についてはしっかり確認することをお勧めします。
また、サプリメントとよばれるものの中にはいわゆる漢方に分類されるものもありますが、漢方薬は「自然界にある植物や鉱物などのうち、薬効を持つ」部分を一定の法則のもと、原則として複数組み合わせて作られた薬です。

何千年という長い年月をかけて生薬を組み合わせるとどんな効果が得られるか、また有害な事象がないかなどが確かめられ、漢方処方として体系化されました。

現代における漢方薬も「自然の恵みを利用してできている薬」であることに変わりはありませんが、その一方で最新技術を駆使した「製剤」として生薬の持つ薬効を引き出し、かつ服用・保存しやすい状態に加工されたものになっています。

病院で処方される漢方薬の多くは健康保険が適用される「医療用漢方製剤」で、148処方が厚生労働省に承認されています。

漢方薬を構成するものの一部が「生薬」と呼ばれるものですが、ウィキペディアによると生薬とは、

天然に存在する薬効を持つ産物から有効成分を精製することなく体質の改善を目的として用いる薬の総称である。世界各地の伝統医学では多くの生薬が用いられている

とあります。

生薬は薬機法によって医薬品として扱われるものと、食品として扱われるものの2種類に分類されます。薬機法で扱われるのは生薬製剤であり、食品として扱われるのはいわゆる健康食品です。

健康食品ですので多くは先ほど説明した一般食品に含まれますから、機能性および安全性の表示は行えません

また、当然ですが医薬品ではありませんので、効果効能を表示することもできません。生薬を販売される際には特に表示方法に注意を払う必要があります。

直接食べたり飲んだりするものではありませんが、薬機法で管理されている医療機器と似たようなもので健康器具があります。これについても少し説明しましょう。
一般に健康器具とは、使用することにより健康の増進や体型の維持向上が期待できるとされている器具のことをいいます。

混同されやすい医療機器との関係性をウィキペディアで確認すると、健康器具と言われるものは以下の3つに分類されます。

  1. 人体に影響を及ぼすことにより健康の増進・維持を意図しているもの
  2. 運動機能の代用として用いられ、運動の結果として健康の増進・維持に資することを意図しているもの(運動機能代用器)
  3. 1,2いずれでもないが、健康の増進・維持を標榜しているもの
このうち、1については薬機法に基づいて医療機器に該当しますが、2、3については薬機法で規定する医療機器とは異なり、身体の構造や機能に影響を及ぼすことはできず、その効能効果を謳うこともできません
健康器具と表示して販売したものが身体の構造や機能への影響を意図している場合は、薬機法によって医療機器に該当するため医療機器としての承認、認証を得ず、もしくは届け出ていない場合は未承認医療機器という扱いになり、その製造販売業者は薬機法違反に問われますので注意が必要です。
薬機法で定めた4分類に属さないでその区別をつけづらいものについてご説明いたしましたが、これらに含まれるものを販売する際には、薬機法以外にも該当の法律について内容を一度ご確認されることを強くお勧めします。

◆ ルールにしたがって表示する方法 健康食品

ここまで薬機法について色々説明してきましたが、では実際にどのように表示すれば薬機法に抵触しないのか、あるいは抵触してしまうのかについて事例を踏まえて説明していきたいと思います。
例えばサプリメントを販売するためにライティングをするとき、ついつい「○○を防止します」とか「○○を整えます」などと書いてしまいがちです。

これらの表現、一見大丈夫そうですが、実は薬機法に抵触していますのでアウトです。

どの表現なら使って良くて、どれなら駄目という判断をし辛い、あいまいな表現をレベルに分けて説明します。

〇薬機法違反で逮捕されるレベル

【表現例】高麗人参は冷え性を劇的に改善する効果があります
この表現がなぜ駄目なのか? 高麗人参は粉末の場合でも生薬の場合でも食品に分類されます。その場合まず病名や症状、部位名を表示できません

表示例でいうならば、「冷え性」という症状を記載しています。

それに加えて治療や治癒、改善、調整、予防など、体が快方に向かうかのような表現も使えません予防や防止、整える、調整、作用などの表現も駄目です。「効果が期待できる」という表現も大丈夫そうだけど駄目です。

部位名+治る、症状名+改善するという組み合わせは使ってはいけない言葉の掛け合わせなので、最悪の場合逮捕される可能性があります。

〇厳重注意されるレベル

【表現例】にんにく卵黄は元気のもととして知られています
ここであげた表現では先ほどの例とは違い、病名・症状を出さずに効果効能を出すか、病名・症状を表示せずに身体の不調を改善させることをイメージさせる文言を使っています。

この様な場合は法律違反を指摘されることはまずありませんが、厚労省からお叱りを受ける可能性があります

注意されたのにそれを修正せずに使い続けてお叱りが何回か続くと反省していないということで書類送検されてしまう可能性がありますし、これをメーカーが行った場合、営業停止処分を受ける可能性があります。

〇チェックはされるけど、直接何かを言われることはないレベル

【表現例】滞った流れをよくします
ここであげた表現はどんな病気にどんな効果があるのか解らないけど大体何を改善するのか想像できる表現です。この程度あれば注意されることはありません。

他の表現に比べればというレベルなので、もちろん使わないに越したことはないのですが、もし使う場合この表現が出てくる前の表現に注意して下さい。

ここまでの間に血流の話とか冷え性の話とかをしていると、ここで挙げた表現と結びついて病状や効果効能が想像できてしまうので厳重注意されるレベルになってしまう可能性があります。

使わないに越したことはないと書きましたが、もしどうしても使わなければならないときは自己責任で使用して下さい。また、「鉄分は血液を作るために必要な成分です。

すっぽんには鉄分が他の食品に比べて多く含まれています」というような表現は事実だし、何に効くのか効果効能をはっきりうたっているわけではないので使って良いレベルの表現ですが、まったく問題がないとは言えません。

ただし、サプリメント等を製造販売している会社はたくさんあり、各社とも自社の製品を販売するために例にあげたような表現を使って説明を行っているところが大半です。現在は監督をする厚労省とメーカー側が表現をめぐって睨み合っている状況というのが、このラインの表現です。

〇全く問題はないけど商品を販売するのにはピンと来ないレベル

【表現例】横になってゆっくり休めます
ここであげた表現では具体的に何を指しているのかわかりません。そういうレベルの表現であれば全く問題ありません。

ただし、「横になって、次に気が付いたら朝でした」などと表現してしまうと睡眠がしっかりできている、熟睡できることが容易に想像できてしまい改善ポイントがわかってしまうので、その場合は即刻注意されてしまいます。

ものを売るために使える表現について販売各社が苦心して編み出したのが、血流を意味する「めぐり」、便秘を解消することを意味する「朝起きたらドッサリ」「ビッグボムでスッキリした」、膝痛解消を意味する「立ったり座ったりがすごく楽になった」、 不眠症を解消する「休息できた」、更年期障害を意味する「女性の微妙な年齢でのイライラを解消」「更年の悩み」「更年のゆらぎを解消」、冷え性解消の「ポカポカ人生」などといった表現なのです。
薬機法を軸にしながら食品を販売する場合は、食品衛生法や健康増進法など関連の情報を確認しながら使える表現を作りましょう。

◆ ルールに従って表示する方法 化粧品

化粧品は食品に比べるとシンプルです。使用可能な表現は56と規定されているからです。それ以外の表現を使った場合、即刻アウトです。
一度、厚労省のサイト等で使用できる表現について確認をして下さい。
ここで注意していただきたいのが、薬用化粧品と言われている製品です。これは薬機法上、医薬部外品に分類されますので、化粧品で適用できる表現は使えません。その代わりに医薬部外品として定められた表現のみを使用することが可能です。

◆ ルールに従って表示する方法 医薬部外品

ここでは医薬部外品とは何かを少しご説明します。ウィキペディアでは、「医薬品と化粧品の中間的な分類で、人体に対する作用の緩やかなもので機械器具でないものである。

予防効果をうたったり、医薬品よりは緩和だが人体に何らかの改善効果をもたらすものがこれに含まれる。人体に直接用いられるものだけでなく、たとえばスプレー式殺虫剤のように噴霧したり、ホウ酸団子のように適当な場所に設置したりして使用するものも含まれる。 」と定義しています。

つまり、医薬品よりは緩いけれど、効果効能について厚労省が認めたものということなので、製造、流通、販売においては医薬品同様に規定された表現のみしか使用できません
また、先ほど化粧品のところでも少しご説明しましたが、薬用効果(予防等の効果)をもつと謳われる化粧品類似の薬用化粧品は、薬機法においては化粧品ではなく医薬部外品にあたるとされています。その他、うがい薬やコンタクト装着薬のようなものも医薬部外品とされています。
最初の方の説明でも少し触れましたが、医薬部外品の説明として表現を許可された内容について医薬部外品以外の製品で使用した場合、使用されたものが医薬部外品と誤認されてしまう可能性があるので薬機法に抵触してしまいますから注意して下さい。

◆ ルールに従って表示する方法 医療機器

「サプリメントや健康器具って何?」のところで健康器具についてはご説明しましたので、ここでは薬機法で分類されている医療機器についてご説明します。

ウィキペディアでは医療機器は、「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用され、または人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(医療用品、歯科材料、衛生用品など)である」と定義しています。

簡単に言えば、人体に影響を及ぼすことにより健康の増進・維持を意図しているものということで、これの定義に含まれるものについての製造、流通、販売は全て厚労省の認可が必要です。もしも認可を受けずにこれに属する器具を販売した場合、薬機法違反に問われます。
また、健康器具についての表現などについては、こちらのガイドライン(日本医療機器産業連合会のURL)を御覧ください。
http://www.jfmda.gr.jp/promotioncode/pdf/111104_1_3.pdf

◆ 個人の感想ってどこまで許されるの

さて、ここまでルールに従って表示する方法について薬機法の分類に従ってご説明してきましたが、テレビショッピングやブログやショッピングサイトなどで「個人の感想です」といって、商品の効能等を述べているシーンやページを見たことがありませんか?「個人の感想」と前置きすれば、法に触れないのでしょうか?
答えは、個人の感想と書いたところで商品の効果効能を述べた時点で薬機法に抵触しています
では「にんにくサプリは疲労回復に効果があります」という記事内で、それについてのアフィリエイト広告はリンクせずに全く違う記事内でアフィリエイトした場合はどうでしょうか?
このような場合も基本的に薬機法に抵触しているとされます。ただし、記事間の誘導は全くしておらず、記事同士の関連性が認められない場合は、場合によっては見て見ぬフリをしてくれる可能性はあります。
さて、あなたがサプリメントの製造販売をしているとしましょう。ダイエットに効果が期待できる「スーパー人参ダイエットサプリ(仮称)」という商品を開発したので販売することにしました。

サプリを販売するためのサイトとは別にそのサプリの愛用者のふりをして、そのサプリをほめちぎるためのサイトを立ち上げて運営した場合、そのサイト内ではサプリメントの販売は全くしていなかった場合はどうなるか。

こういうケースは法律的には問題はありません。薬機法に抵触はしていないので問題はないのですが、決して正しい行為ではないので内容が悪質な場合はあれやこれや理由をつけて書類送検されてしまう可能性があります
同じサプリを販売するサイトは立ち上げずにそのサプリと同じ名前の会社を立ち上げ、会社名の看板は町の目立つところに立てた場合はどうでしょう。

そして自社サイトでは、当該のサプリに含まれる人参の効果効能だけを表示したサイトを立ち上げて運営した場合はどうでしょう。

このケースは、法律的にも道義的にも問題になることはありません。今までの中では、一番頭の良いやり方であると言えるでしょう。

全ての面で検証した場合決して真っ白というわけではありませんが、ビジネスをよく理解した行為と言えます。こういう手法をいわゆるステマ(ステルスマーケティング)と言います。

ただしこの場合、サプリの効果効能については根拠を必ず表示して下さい。何の根拠もなく説明を行うことは許されません。

またこのとき、「わが社独自の感想です」と注釈をつけても駄目です。どんな形でも構わないので検証実験をして効果効能について説明して下さい。

サプリについて厚労省から認可はとれてないけど、効果効能についてはきちんと確認しましたと前置きをして、商品ではなくサプリそのものの効果効能を記載するのであれば、問題を問われることはありません。

まとめ

ここまで、サプリメントや健康器具などを販売する際に気をつけるべきことをご説明してきましたが、その内容が公にして良いかどうかを判定するのは各都道府県の薬務を担当する厚労省の出先機関ですので、あいまいな部分や自信がない部分がある場合は担当機関に自ら確認を行い、常に自分が思っているよりも一段厳しく判定を行うように心がけましょう。

悪質な場合には薬務課と地元警察が連携して地方裁判所に司法判断を仰いだ上で裁判所から逮捕状をとって地元警察が逮捕なり書類送検される可能性もあることを念頭に、サイト等への掲載の際には何か問題を問われても常に自己責任であることを理解して慎重に行動しましょう。
当サイトの運営者は当記事に書いてあることには責任は負いかねることもあらかじめご了承ください。